2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
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米国の大学入学審査の攻略ポイント

栄陽子
    栄陽子留学研究所 所長/国際教育評論家
    さかえ・ようこ/帝塚山大学卒業。1971年 セントラルミシガン大学大学院教育学修士課程を修了。国際教育評論家として、各自治体、教育委員会、大学、高校、専門学校で講演・コンサルタント活動を行っている。また、新聞、テレビ、ラジオへの出演、雑誌などへの寄稿、情報提供や執筆活動も積極的に行っている。『アメリカ名門大学への道』『留学奨学金と節約術―アメリカ留学にかかる費用 』(いずれも三修社)など留学関係の著作も多数 https://www.ryugaku.com/

    アイビーリーグ、UCLA、UCバークレーなどのアメリカのトップ大学はどのような学生を求めていますか。

    まず、生活で得た興味関心や課題意識をもとに、大学で何を学び、それを社会でどう活かすかという視点を求めています。

    自己分析をしっかり行い、それを将来自分のやりたいことに結びつけれるかが要でしょう。

    そのためには、普段から学校以外でも色々な活動を経験して見識を広げることです。

    学校の課外活動レベルでは、なかなか高いハードルです。

    そうかもしれません。ならば、大人に混じって何か一緒に活動するのもよいでしょう。社会の課題を自分ごととして語り、成果を可視化するのです。

    それができたら、州立大学と私立大学の欲しい学生像の違いを押さえていきましょう。

    有名校ですが、あまり知られていないことに、カリフォルニア大学バークレー校や、同ロサンゼルス校(UCLA)は、実は、カリフォルニア州の「州立(公立)」大学です。

    州立大学のミッションとは、教育機会の公平・平等です。

    学力上位層から、成績オール1の生徒まで、すべての人に大学進学の機会が用意されています。

    中でも、UCLAのようなエリート大学は、学校での成績トップの子が進学する学校です。

    一方、成績が低い子は、働きに出るか、2年制大学である「コミュニティカレッジ」に進学します。

    ちなみに、国立大学もごく僅かにありますが、日本と違い、これは軍関係の学校です。ですから、一般の人には国立大学は選択肢に入ってこないでしょう。

    アイビーリーグが
    求める人材像とは

    アメリカの私立大学はどうですか。

    誰もが知る「アイビーリーグ」などのエリート私立大学のミッションとは、リーダーの育成です。

    米国最古のハーバード大学は、1636年の創立当初から、地域コミュニティのリーダーを養成してきました。

    注意しなければならないのが、「リーダー」といっても、会社の社長や、総理大臣など役職のトップになることだけを求めているのではありません。「周りの人に良い影響を与えてリードする」という意味合いもあります。

    よって、入学後、他の学生によい影響を与える人物かどうかという資質も入試で重視されます。

    ハーバード大やスタンフォード大のようなアメリカの頂点の大学の入試もそうですか。

    日本人が勘違いするのは、「数学オリンピックで金メダルを取った」など世界レベルのコンクールでの上位入賞などがこれら頂点の大学の「リーダーの資質」にあたるだろうと考えることです。

    なるほど。上位入賞だけではダメなんですね。

    はい。大学側からしたら、これはリーダーとしての素質を示す一例に過ぎません。

    そもそも、課外活動実績とは「目的を達成する忍耐力や才能」と、「そのための行動を始めています」という補足の情報にすぎません。

    よって、合格の条件としては、自己分析をしっかり行い、自分の興味関心や得意不得意を明らかにすること。そして、どんな学問に興味があり、そのために大学で何をやりたいのか。その大学での学びを活かし、将来社会にどう貢献したいのか、というところまでストーリーを持って語れることが求められる、高度なものなのです。

    海外大学選びは
    日本の学歴観と別

    そこまで考え、行動に移せる高校生はあまりいなさそうです。

    ほんの一握りに過ぎないでしょう。よって、日本の「学歴観」の延長でハーバード大などトップ大を目指すことには、私は反対です。

    そもそも、これら私立や州立のトップ大規模大学は、学生の面倒見がよくありません。

    あまり公にはされていませんが、背伸びしてハーバード大に入った結果、周りについていけず、相談相手もいなくて中退した、という例がたくさんあるのです。

    ではどうすればよいですか

    私がおすすめするのは、面倒見のよい「リベラルアーツ大学」に進学することです。

    堅実な「米国大学成り上がり」ルート

    こちらの方が、よほど充実した学生生活を送れるはずです。そして、そこでしっかりオールAの成績を取り、3年次編入や大学院でトップ大学に進学するというルートのほうが堅実です。

    塾や高校の先生方には、ぜひこうした事実を知っていただければと思っています。

    井上 孟
    ルートマップマガジン社 代表取締役社長/海外大学ジャーナリスト
    大手通信キャリアにてM&A戦略のコンサルティング、『大学ジャーナル』編集部 編集委員。2012 年米国 Hult International Business School で経営学修士(MBA)修了。13年から経営コンサルタント。英国コンサルティングファームの世界最先端のビッグデータ解析手法を日産自動車などへ提供。15年より独立し、現職。現在、Google等のビッグデータを生かしたマーケティング手法を開発を軸に、16年から教育業界のデータ分析を開始。国内外約3000大学ビッグデータ分析を行う。『ダイヤモンド・オンライン』『週刊ダイヤモンド』『現代ビジネス』『週刊朝日』『塾ジャーナル』『週刊東洋経済臨時増刊』『サンデー毎日』などデータ寄稿や情報提供多数。その他、全国の大学や高校にて経営や広報に関するコンサルティングや講演を行う

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