2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
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村越 直子
    ベネッセコーポレーション プログラミング講座開発担当
    むらこし・なおこ/「進研ゼミ」の小中学生向け理科教材編集に携わった後、進研ゼミ個別指導教室の前身「クラスベネッセ」立ち上げに従事。2020年度小学校学習指導要領改訂のタイミングと合わせて「プログラミング講座」の開発に着手、現在に至る
    https://www.benesse.co.jp/
    安藤 明伸
      広島工業大学 教授 文部科学省 学校DX戦略アドバイザー
      あんどう・あきのぶ/情報学部情報コミュニケーション学科教授。プログラミング教育の教材や指導法について幅広く研究。中学校技術科・学習指導要領作成委員、文科省・小学校プログラミング教育の手引作成。コンピュータ利用教育学会論文賞、モバイル学会研究奨励賞優秀賞等受賞
      https://www.it-hiroshima.ac.jp/

      塾注目の「プログラミング講座」(塾向け)を2023年秋から開講したベネッセコーポレーション。「進研ゼミ(家庭学習用教材)としては開講3年で5万人超の受講実績を誇る。その学習意義から講座内容まで幅広く伺った。

      2023年1月から24年5月に弊誌が全国122塾に聞き取り調査したところ、82%がプログラミングに興味があると回答し、そのうち70%は英語や数学のように塾のカリキュラムの柱にしたいとしています。

      安藤まず重要なのは、プログラミングには、入試科目の「情報I」としての側面と、どんな仕事にも必要とされる「プログラミング的思考力」の育成という2つの側面があることです。

      ぜひ、こうした視点を学習塾の方々には持っていただきたいです。

      大学入学共通テスト(以下、共通テスト)に「情報I」が新規導入され、その基礎を学習するための「プログラミング」の導入に塾も本気になってきました。

      安藤事実、現代社会で活躍する能力を養うために、プログラミングを含めた情報科目を学ぶことが必要な時代になっています。よって、大学入試に導入された意義は計り知れません。

      ただし、現在の学習指導要領では、小学校には情報という教科がなく、中学校では技術科の中に情報が入っています。今後は、小学校から高校まで通した体系的な教育が望まれます。

      特に貴社が2021年春に「プログラミング講座」をスタートしてから、塾関係者からの注目度も高まっています。

      村越ありがとうございます

      多くのプログラミングの講座は、大学入試に直結しにくい内容で「お習い事」止まりだと、塾関係者から不満が多いのも事実です。貴社の講座の内容を見ると、共通テスト「情報Ⅰ」や推薦入試(総合型・学校推薦型選抜)に直結していますね。

      村越共通テスト「情報I」に必要な4領域(情報社会、情報デザイン、プログラミング、データ活用)をカバーしています。

      開発では、小学校のうちから学んでおくべきことを中学、高校で学ぶ内容から逆算し、試行錯誤をいくつも重ねました。

      世の中にある多くの「プログラミング講座」は、この4領域のうち「プログラミング」の1領域しか扱わないところが多いです。

      村越例として挙げますと、円グラフや割合はもちろん、ユニバーサルデザインやピクトグラム、さらに統計学でいう相関など、小学生では難しいと思われそうなことも、楽しく学んでもらえるカリキュラムを工夫しました。

      研究者からのお立場から見て内容はどうですか。

      安藤子どもが学習する講座ではあるものの、身近な題材を使って問題解決や探究のプロセス、ペルソナなどのマーケティングの概念など、小学生にも身近な事例でストーリーが展開し、わかりやすく学べます。大人でも気づきが得られる内容だと思います。

      塾業界では「情報I」を指導できる講師が不足しています。

      村越弊社のサービスの場合、導入塾様での指導のための専門知識、新たな講師採用は不要です。なぜなら、家庭で自学自習可能な進研ゼミ教材を塾向けに切り出してご提供しているからです。加えて、初期費用、契約期間、最低料金設定もしておらず、ほぼ事業リスクなくスタートいただけます。

      導入する塾は、塾生のモチベーション管理をするだけでよいということですね。

      村越そうです。

      プログラミング教育は大学入試に直結!!

      満足度が高い学習には
      「可視化」がポイント

      子どもが、細かい学びや気づきを書くノートが秀逸です。

      村越ノートを使うことで、塾の先生は、子どもが学んだり考えたりしたことに対して、褒めたり、励ましたり、必要であれば漢字や語句を直したりできます。

      この「成果の可視化」で、子どもはモチベーションが上がり、保護者は子どもの成長が実感できます。双方の満足度が高まるので、塾経営者にとっても継続率向上などのメリットが大きいはずです。

      さらに、子どもに自ら学習してもらうためにステップを細かく設定し、「つまずきにくい」工夫もしています。これには、進研ゼミでの通信教育のノウハウが生きています。

      こうした、「自分でやれた」「工夫した」と達成感を感じてもらう仕掛けをたくさん用意しています。

      安藤身近な題材を使って、子どもを学習に引き込むストーリー作りが非常にうまいですね。

      そもそも、プログラミングは他の学問(教科)とどう違うのでしょうか。

      安藤まず、プログラミングとは論理的思考そのものです。コンピュータへの指示は一切の曖昧さ無く明確に言語化する必要があるからです。

      もう一つは、デジタル化された情報を扱うことです。これは、コンピュータサイエンスや情報科学ともいわれています。要は、身の回りの現象ではなく、コンピュータの世界における人工的な情報の原理や法則を扱うことですね。これが他の科目とは性質が大きく異なる点です。

      よって、プログラミングとは、コンピュータの中でできるすべてのことを扱う「センス」を養う科目でもあります。

      「プログラミング」は
      既存の教科と相性も良い

      具体的に、プログラミングはどう役に立ちますか。

      安藤自然現象を再現したり、画面上のキャラクターを動かす際に、理科や数学の考え方を自然に活用することになります。

      こういった点で、既存の教科の面白さにプログラミングを通じて気づくことができ、既存教科を学ぶ意味を再確認することでしょう。

      最後に塾関係者にメッセージをお願いします。

      安藤「プログラミング」では、コンピュータの仕組みを理解したり、様々な情報を扱う時の頭の使い方を知ることができます。これは、日常生活やその他の教科では習得できません。

      こうした「プログラミング的思考」は、仕事の効率化、業務の改善、効果的なコミュニケーションなど、社会人としても役立つ広範なスキル獲得につながるといえます。

      さらに、プログラミングのスキルを直接仕事にするならば、プログラマー、システムエンジニアなど、国内企業にとどまらず、海外へも就職の幅を広げられます。

      村越そのために、小学生のうちからプログラミングに親しみ、「やってみたい」と楽しんでもらうことが重要です。それを通じて社会課題に自ら向き合う姿勢が身につきます。

      情報活用能力は、現代社会では、読み書き計算に並ぶ基礎力です。ぜひ、子ども達には楽しみながら学んでいただきたいですね。(談)

      (2024年5月取材/文責 西田 浩史)

      ルートマップマガジン社 取締役/雑誌編集局 ルートマップマガジン編集部 編集長
      追手門学院大学客員教授、教育ジャーナリスト、『大学ジャーナル』編集部 編集委員、アロー教育総合研究所 客員研究員。2016年 ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド』記者(学校・教育産業担当)、他学習塾業界誌の私塾界『月刊私塾界』、塾と教育社『月刊塾と教育』記者、追手門学院大学アサーティブ研究センター客員研究員を経て20年から現職。『現代ビジネス』『週刊朝日』『サンデー毎日』『週刊エコノミスト』『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』『週刊ダイヤモンド』『ダイヤモンド・オンライン』など教育関連記事の寄稿、コメント多数。全国4,000塾、予備校(関係者20,000人)の取材達成(2022年11月現在)。
      著者に『医学部&医者』『関関同立』『最強の高校』(すべて週刊ダイヤモンド 特集BOOKS ダイヤモンド社)など。放送大学大学院文化科学研究科修士課程在籍中

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