まず、生活で得た興味関心や課題意識をもとに、大学で何を学び、それを社会でどう活かすかという視点を求めています。
自己分析をしっかり行い、それを将来自分のやりたいことに結びつけれるかが要でしょう。
そのためには、普段から学校以外でも色々な活動を経験して見識を広げることです。
そうかもしれません。ならば、大人に混じって何か一緒に活動するのもよいでしょう。社会の課題を自分ごととして語り、成果を可視化するのです。
それができたら、州立大学と私立大学の欲しい学生像の違いを押さえていきましょう。
有名校ですが、あまり知られていないことに、カリフォルニア大学バークレー校や、同ロサンゼルス校(UCLA)は、実は、カリフォルニア州の「州立(公立)」大学です。
州立大学のミッションとは、教育機会の公平・平等です。
学力上位層から、成績オール1の生徒まで、すべての人に大学進学の機会が用意されています。
中でも、UCLAのようなエリート大学は、学校での成績トップの子が進学する学校です。
一方、成績が低い子は、働きに出るか、2年制大学である「コミュニティカレッジ」に進学します。
ちなみに、国立大学もごく僅かにありますが、日本と違い、これは軍関係の学校です。ですから、一般の人には国立大学は選択肢に入ってこないでしょう。
アイビーリーグが
求める人材像とは
誰もが知る「アイビーリーグ」などのエリート私立大学のミッションとは、リーダーの育成です。
米国最古のハーバード大学は、1636年の創立当初から、地域コミュニティのリーダーを養成してきました。
注意しなければならないのが、「リーダー」といっても、会社の社長や、総理大臣など役職のトップになることだけを求めているのではありません。「周りの人に良い影響を与えてリードする」という意味合いもあります。
よって、入学後、他の学生によい影響を与える人物かどうかという資質も入試で重視されます。
日本人が勘違いするのは、「数学オリンピックで金メダルを取った」など世界レベルのコンクールでの上位入賞などがこれら頂点の大学の「リーダーの資質」にあたるだろうと考えることです。
はい。大学側からしたら、これはリーダーとしての素質を示す一例に過ぎません。
そもそも、課外活動実績とは「目的を達成する忍耐力や才能」と、「そのための行動を始めています」という補足の情報にすぎません。
よって、合格の条件としては、自己分析をしっかり行い、自分の興味関心や得意不得意を明らかにすること。そして、どんな学問に興味があり、そのために大学で何をやりたいのか。その大学での学びを活かし、将来社会にどう貢献したいのか、というところまでストーリーを持って語れることが求められる、高度なものなのです。
海外大学選びは
日本の学歴観と別
ほんの一握りに過ぎないでしょう。よって、日本の「学歴観」の延長でハーバード大などトップ大を目指すことには、私は反対です。
そもそも、これら私立や州立のトップ大規模大学は、学生の面倒見がよくありません。
あまり公にはされていませんが、背伸びしてハーバード大に入った結果、周りについていけず、相談相手もいなくて中退した、という例がたくさんあるのです。
私がおすすめするのは、面倒見のよい「リベラルアーツ大学」に進学することです。
こちらの方が、よほど充実した学生生活を送れるはずです。そして、そこでしっかりオールAの成績を取り、3年次編入や大学院でトップ大学に進学するというルートのほうが堅実です。
塾や高校の先生方には、ぜひこうした事実を知っていただければと思っています。