そして、閉校するところまで行かなくても、大学の財務状況が悪ければ、教育環境の悪化にもつながります。そのためには、大学も収容定員を少なくとも8割は確保したいところです。
そこで、私が学習塾や高校の先生方におすすめしたいのは、大学が公開している情報を毎年確認することです。
大学が本業である教育活動で赤字になっていないか、それから借金の額が大き過ぎないかを確認するとよいでしょう。
これらは、日本私立学校振興・共済事業団が出している「定量的な経営判断指標に基づく経営状態の区分(法人全体)」でも、まず確認すべき項目となっています。
大学の状況はウェブで確認できる
その中で、まず「活動区分収支計算書」の中の「教育活動資金収支」の「教育活動収入計」の項目を確認しましょう(下図)。これがプラスであれば、大学が本業できちんと経営できているといえます。赤字の場合は、数字の前に「▲」印がついています。特に過去3年で2年以上が赤字であれば要注意ですね。

大幅な定員割れが続いている場合は、授業料(収支計算書に記載の「学生生徒納付金」の数字)で人件費(同じく「人件費支出」の数字)を賄えていないこともあり得ます。そこまで状況が悪いと、将来閉学の可能性も高まりますので、かなり注意したほうがよいでしょう。
前述の「定量的な経営判断指標に基づく経営状態の区分(法人全体)」でも、この外部負債が運用資産を超過していると危険水域に該当します。
運用資産は、決算資料のうち、「財産目録」などで確認することができます。戦略的に借金をするケースもあるので一概には言えませんが、基本的には、手元の金融資産よりも、外部負債が多いほど、経営リスクが高いと考えてよいと思います。
これから少子化で、定員割れが悪化した場合、借金が多いと打開策を打つ余裕がなくなりますし、負債総額が資産総額を上回ると大学への国からの補助金も停止されてしまいます。
それが赤字であれば、大学が今手元にあるお金を使い果たしてしまうまであと何年間残されているか、というような計算も可能になってきます。
ここ数年のうちになにか手を打たないと閉校せざるを得ない大学はかなりの数にのぼるでしょう。
進路指導関係者の皆さまも、なるべく大学の経営状況にも関心を持っていただくのがよいかと思います。
