実は、2026年7月に新刊を出版することになりました。
この本の企画が動き始めたのは24年末です。当初は25年3月ごろの脱稿を予定していました。
しかし、以前に書いた内容と似ている部分が多く、「新しい価値を出せるのか」と悩み、執筆がなかなか進みませんでした。
そこで編集者と相談し、これまでの内容をベースに再構成する方針にし、25年9月末には脱稿に至ることができました。
ただ、そこからさらに出版時期が遅れた理由は、初校の段階でも大幅な加筆修正を行ったためです。編集者の協力のおかげで、納得のいく内容に仕上げることができました。
この経験を通じて感じたのは、本作りは著者と編集者の共同作業だということです。
さて、読者から「編集者が出版したいと思うような企画書の作り方」について質問を受けましたので、今回は私なりの考えをお伝えします。
まず知っておきたいのは、最初の1冊は著者が企画書を持ち込むよりも、出版社の編集者から企画の話が来るケースが少なくないということです。
特に学習参考書では、編集者が企画を考えた上で、執筆候補者へ声をかけます。ただし、この段階では出版はまだ決まっていません。編集者は企画会議に企画書とサンプル原稿を提出するため、執筆候補者には1〜2節程度の執筆が依頼されます。
この段階で企画会議に通らなければ出版できません。もちろん執筆料も発生しない場合がほとんどです。
だからこそ重要なのは、編集者が思い描く本の方向性と、執筆者が書きたい内容を一致させることです。
企画書は1人では作れない
例えば編集者は「高校生向けの入門書」を考えているのに、執筆者が「大学レベルの専門書」を書きたいと思っていたら、本はうまく成立しません。
企画会議やその後の執筆期間を乗り切るためにも、初めにお互いのイメージを十分にすり合わせておく必要があります。
サンプル原稿を書く際に意識したいのが「型」です。最初の段階で構成や見せ方の型を作っておくのです。
特に学習参考書は全範囲を書き切らなければなりません。途中で構成が変わると読者も執筆者も混乱します。だからこそ最初に型を決めることが重要ですし、執筆者自身も書き進めやすくなります。
「型」の例
・見開き2ページで内容を解説する
・次の見開き2ページで問題演習を行う
・確認問題は穴埋め形式にする
・演習問題はレベル別にする
では、編集者が魅力を感じる企画はどのように生まれるのでしょうか。
私のおすすめは、とにかく書店へ足を運ぶことです。自分の専門分野だけでなく、他科目や他ジャンルの本も観察してみてください。私は新刊が出ると、まずタイトルと目次を確認します。編集者や著者の「売り」が最も表れる部分だからです。
なぜこのタイトルなのか。なぜこの章立てなのか。なぜ平積みされているのか。売れている本の理由を考えることが企画力を磨く近道です。
私自身、他科目の参考書から学ぶことは多いと感じています。同じ科目しか見ないと、どうしても発想が似てしまうからです。
編集者が求めているのは、単なる知識量ではありません。読者の悩みや疑問を理解し、解決できる形に整理できる人です。企画書作りの出発点は、自分が書きたいことではなく、読者が読みたいことを考えることなのです。
さて、企画書が通っても、本作りはまだスタート地点に過ぎません。本当に大変なのは、その後の執筆作業です。学習参考書であれば10万字を超えることも珍しくなく、多くの執筆者がここで挫折します。
では、どうすれば1冊分の原稿を書き切ることができるのでしょうか。実際に私が経験した苦労や失敗談も交えながら、「1冊レベルの文章を書き続けるコツ」についてもどこかでお話ししたいと思います。
