2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
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学部重視の日本は、世界から「低学歴社会」と揶揄されています

栄陽子
    栄陽子留学研究所 所長/国際教育評論家
    さかえ・ようこ/帝塚山大学卒業。1971年 セントラルミシガン大学大学院教育学修士課程を修了。国際教育評論家として、各自治体、教育委員会、大学、高校、専門学校で講演・コンサルタント活動を行っている。また、新聞、テレビ、ラジオへの出演、雑誌などへの寄稿、情報提供や執筆活動も積極的に行っている。『アメリカ名門大学への道』『留学奨学金と節約術―アメリカ留学にかかる費用 』(いずれも三修社)など留学関係の著作も多数

    週刊ダイヤモンド(2023年9月23日号)「大学」特集の私の寄稿では、国内の学力上位校には留学ニーズが少ないという分析結果を紹介しました。米国留学のパイオニアである栄先生から見た、米国の大学・大学院進学のメリットは何でしょうか。

    まず、「人材育成」という意味での社会的意義が大きいですね。

    日本の高等教育は、学部教育で終わるのが一般的です。政治家や企業の経営層も、学部卒がほとんどです。

    教育内容も画一的です。大学の学部・学科では、多少の科目選択の機会はあるものの、全ての学生が同じような教育を4年間も受けるので、同じような考え方しか身につきません。さらに問題なのは、その後の人生で、大学院に通って専門性を高める機会もほぼないことです。

    こうした日本の教育システムは、いってみれば、企業の中間管理層を育てる教育です。彼らは、経営層からの命令に従い、そこそこのクオリティで無難に仕事を行うことしかできません。

    けれども、これからの時代は、そのような「誰でもできる仕事」はAIが担うことになるでしょう。このままいくと、日本の高等教育は役に立たないものになります。世界レベルの起業家や、企業のトップになる人材を育成できないからです。

    一方、米国の高等教育は、全く考え方が違います。学部教育では、学生の科目選択の裁量が日本よりかなり大きい。そして、企業内で出世するには、大学院に入りなおすのが当たり前。就職した後でも高度な専門性を学び、実務に反映させるシステムなのです。

    学部教育で終わってしまう日本の高等教育は、非常に遅れているといわざるを得ません。

    「低学歴社会」と揶揄される日本

    GAFAMの経営層も多くは大学院を修了していますね。

    これは米国だけの話ではありません。世界の高等教育は、今や大学院が中心です。WHO(世界保健機関)なども、職員は皆博士号を持っています。

    それに対し、日本は大企業の社長でも、学歴は学部どまりです。これは、世界の潮流とかけ離れており、「低学歴社会」と揶揄されることもしばしばです。ですが、この事実は日本の教育関係者の間ではあまり語られていませんね。

    その点、当研究所のスタッフは全員米国で「修士号」を取得しており、高品質の留学カウンセリングを提供できています。一方、一般的な留学エージェントは違います。学歴や実績のない人材が留学を斡旋しているため、日本で留学が定着しない原因となっているのではないでしょうか。

    私は、米国の大学院に留学して考え方が変わり、その後の人生が好転したと感じています。

    やはり、留学すると就職実績が良くなりますね。米国の中堅大学を出ても、楽天などのIT大手企業や、アマゾン・ドット・コムなどの外資系企業に多く就職しています。

    また、どんどん変革するこれからの社会への適応力が身につくことも大きなメリットです。

    現在は、「ChatGPT」を始め、革新的な技術がどんどん出現しています。かつて10年かけて変化していたものが、これからはたった1年で変わるようになります。大手企業も、いつ潰れるか分かりませんし、大学で学んだことも、すぐに陳腐化します。

    そうした事実を受け、米国の大学は、オンラインで最新の授業を積極的に公開しています。留学した学生は、卒業後もそれらを利用して知識をアップデートできるので、昇進や転職の機会を増やすことができます。

    留学して他国の文化を肌で感じると、日本の教育で植え付けられた固定観念を打ち破れます。考え方も柔軟になり、自分のやりたいことに素直に向き合えたり、強みに気づくことができるメリットもあります。

    動物も、純血種よりも雑種のほうが生きる力が強いですが、それと同じです。2つの文化を身につければ、よりたくましく生きられます。

    結果として、当研究所から留学した子たちは、何よりも人生を楽しむようになります。「自分らしく生きるため」に、日本を離れるという選択も当たり前です。

    弊誌では、そういった海外進学のメリットも積極的に発信していく予定です。そこでは、留学に向いている子と向いていない子の特徴なども明らかにしていきたいと思っています。例えば、自分の個性を伸ばしたり、リーダーとして将来活躍したい場合は留学向きですね。

    米国では、積極的に自己アピールすることがとても重要です。遠慮がちで、人から話しかけてくれるのを待つタイプの学生は、ちょっと向いていないかもしれないですね。

    一方、考え方が柔軟で、好奇心や行動力がある人は、現地でもクラスメイトを作りやすい。日本の常識からみると、ちょっと変わっている性格の方が留学向きといえるかもしれません(笑)。

    英検3級レベルから米国留学を実現

    ただ、留学向きな性格でも、英語力が足りないと諦めている学生や保護者さんは、全国に大勢おられます。留学の際には、身近な英検ではなく、IELTS(アイエルツ)やTOEFLⓇテスト(トフル)など、馴染みのない語学検定を受けなくてはなりません。

    私が得意なのは、IELTSの足切りスコアを「値切る」ことです。要は、各大学が入学に必要だと公表している「IELTS6.0点以上」などの条件を、緩めてもらうのです。米国の大学の英語の基準は曖昧なので、交渉の余地があるわけです。

    当研究所の学生は、IELTSスコアが低くても、米国でしっかり勉強し、良い成績で卒業しています。そうした実績を基に、大学と積極的に交渉しています。

    こうした交渉は、私たちが丁寧に学生の面倒を見て、米国での授業についていけるようにしっかり指導してきた「信用力」があるからこそ可能なのです。他の留学エージェントには到底真似できない実績だと自負しています。

    よって、日本の普通の高校生の英語力である英検2級や準2級でも十分に留学できます。それ以下の英検3級の学生でも、米国の大学に進学することは可能です。英語が苦手だからと諦める前にぜひ当研究所に足を運んでください。

    英検3級だと、日常生活はなんとかなりますが、大学の授業についていくのは難しいと思います。英検3級でも米国の大学で成功できる学生は、どんな学生でしょうか。

    (002「英検3級で米国の大学に進学する ための3つの秘訣」に続く)

    井上 孟
    ルートマップマガジン社 代表取締役社長/海外大学ジャーナリスト
    大手通信キャリアにてM&A戦略のコンサルティング、『大学ジャーナル』編集部 編集委員。2012 年米国 Hult International Business School で経営学修士(MBA)修了。13年から経営コンサルタント。英国コンサルティングファームの世界最先端のビッグデータ解析手法を日産自動車などへ提供。15年より独立し、現職。現在、Google等のビッグデータを生かしたマーケティング手法を開発を軸に、16年から教育業界のデータ分析を開始。国内外約3000大学ビッグデータ分析を行う。『ダイヤモンド・オンライン』『週刊ダイヤモンド』『現代ビジネス』『週刊朝日』『塾ジャーナル』『週刊東洋経済臨時増刊』『サンデー毎日』などデータ寄稿や情報提供多数。その他、全国の大学や高校にて経営や広報に関するコンサルティングや講演を行う

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