
私が本企画立案時に、読者に強く訴求できる思った点は、著者の西田浩史氏が持つ圧倒的な「一次情報」の量でした。
総合型選抜の関連書籍は近年増えていますが、多くは対策や入試問題の分析が中心です。一方で著者の西田氏は、大学関係者や学習塾現場を数多く取材し、自らの足で集めた情報をもとに総合型選抜の実態を描きます。この点は、著書としてとても魅力的だと感じました。
現場のリアルな声や具体的事例を軸に据えました。そうすることで、総合型選抜の実像を伝えられると考えました。
本書は、一般的な入試解説書のように「対策」から入る構成にはしていません。総合型選抜が広がった背景や、大学側(採点者)がどのような視点で受験生を見ているのかという本質を提示し、その上で具体的な対策や考え方を整理するようにしています。総合型選抜は「勉強しなくても受かる入試」と誤解されがちですが、実際には自分の興味や学びたいテーマを深く掘り下げ、それを言葉で伝える「言語化力」が求められます。
本書では、そうした入試の本当な姿を、できるだけ現場感を持って伝えることを意識しました。
編集者として常に意識しているのは、読者のニーズに合ったテーマや内容での企画立案です。一般的に「そうだ」と言われている「通説」を、「本当にそうなのか」と疑うことが私の企画立案の出発点となっています。
私は、大学で歴史学を専攻していました。歴史学とは、過去に起こったある事象などを分析する際、史料という先人が残した一次情報を、常に批判的な視点で読み解き、その実像に迫ります。この手法や考え方は、現在の私の仕事のやり方に大きく影響しています。
本書でも、西田氏が自らの足で集めてきた情報を整理し、一般的な「イメージ」の総合型選抜と、「リアル」な総合型選抜のギャップを埋めることができるような内容構成を意識しました。
総合型選抜は年々拡大し、学習塾や学校の現場でも指導の重要性が高まっています。
本書が、日々生徒と向き合う教育現場の先生方にとって、総合型選抜を理解する一つの手がかりになれば幸いです。
