2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
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教えて!予備校の先生②
賢い医学部選びのコツ

偏差値や学費で医学部を選んでよいか不安です。入学後や国家試験前に後悔しない
賢い医学部選びのコツを教えてください!

東京大学、京都大学、大阪大学など旧帝大をはじめとした国公立大学や、私立医学部御三家といわれる慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学の最難関医学部に、もしあなたが合格できるレベルならば、そこまで悩むことはないかもしれません。

当てはまるとすれば、特に私立中堅以下で医学部を選ぶ場合でしょう。

今回のご相談は、受験生や保護者の皆さんから、さまざまなタイミングで聞かれるテーマの一つですね。

偏差値も学費も大きく変わらないとすれば、多くの人が次に「医師国家試験合格率」を気にすると思います。この「数字」が大学への信頼感につながるのは当然なのです。

では、医師国家試験合格率にも大差がないときはどうするか。そこで注視したいのが「最低修業年限での6年次在籍者数(以下、6年進級率)」と「卒業試験合格率」という2つの数字です。

まず、「6年進級率」とは、学生が留年などをせず、6年生までスムーズに進級できているかを示すデータです。数値が低いほど、進級判定が厳しい大学だと言えます。

そして、「卒業試験合格率」とは、医師国家試験前に行われる、大学を卒業するための試験の合格率です。卒業生の学力レベル維持などを目的に、大学によっては、厳しい試験を課すケースも珍しくありません。よって、数値が低い大学ほど、卒業時の学生の学力と大学が求める学力に格差があると言えるでしょう。

これを踏まえ、大学の実績や学びへの信頼度を示す①「医師国家試験合格率」、大学が学生に要求する学力のハードルを示す②「6年進級率」と③「卒業試験合格率」の3つのデータに着目してください。いわゆる、偏差値や学費だけでは見えなかった、大学選びの「新しい判断基準」が得られます。

そして大切なのは、この①と②③には、相関関係があるということです。

一般的に、進級判定や卒業試験が厳しい大学ほど学生の学力が高く、結果として国家試験の合格率が高まるといわれます。厳しい大学ほど鍛えられる、ということですね。

とはいえ、あまりに進級判定や卒業試験が厳しすぎるのも考えものです。

理想は、進級判定や卒業試験が厳しすぎず、その上医師国家試験合格率が高いこと。つまり①②③の全ての数値が高い大学ですが、これは順天堂大学などの一部の上位大学を除いてなかなか存在しないのが現実です。

オススメの6大学はここ

進級判定や卒業試験がほどほどに緩くて、それなりに良い医師国家試験合格率を出している、中堅以下の医学部選びでは、「バランスの良い」大学を探すことが重要です。

私立中堅以下で前述した①②③のうち、2項目で上位に入る大学では、東京女子医科大学、聖マリアンナ医科大学、久留米大学、愛知医科大学、獨協医科大学が挙げられます。

あくまでデータを基にした分析ですが、その他では兵庫医科大学など、私立中堅以下においてもバランスの良い教育を実現するいくつかの大学が見つかります。

なお、②と③の数値は、大学の体制変更によって変動しやすい点に注意が必要です。

例えば、学生に厳しい教員が学部長になった、卒業生のレベルを高めたい教員が卒業試験に参加するようになったなど、ふとした変化で進級判定や卒業試験の難易度は一変することがあります。

現在の「6年進級率」や「卒業試験合格率」が、自分が入学した後も続くとは限らない。その点は今回ご紹介した大学選びの方法において、注意すべきポイントです。

ここで取り上げたデータは、各大学や文部科学省が公開しています。気になる大学のデータをチェックして、入学後や卒業時に困らない大学選びを実現しましょう。

佐藤正憲
さとう・まさのり/メルリックス学院代表取締役(CEO)。1971年名古屋市生まれ。95年名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。20年に大阪医学部予備校ロゴス22年DDPを吸収合併。著書に『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある
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