2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
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塾が大学と接点を持つ方法

他大学を含め、大学入試を網羅的に知れます

桜美林大学 入学部部長学長補佐 高原幸治氏

桜美林大学 入学部部長学長補佐 高原幸治氏

桜美林大学は、「早慶MARCH」の登竜門と塾で呼ばれていますが、これまで塾との接点はありますか?

高原ほとんどありません。塾や予備校は、基本的に「GMARCH」や「日東駒専」レベルまでを目指して指導しておられると思うので、これまで積極的にアプローチはしてきませんでした。

これからはお互いへの考えや思いを共有する場や接点をぜひ作りたいですね。

高原部長はよくメディアに出ている印象から、塾関係者には交流するのにハードルが高いと思っている方もいるようです。

高原「ディスカバ!」等の取り組みが評価され取り上げられています。ただ、敷居は全然低いです。

他大学の入試動向も含めたアドバイスを請うこともできるのでしょうか。

高原 メディアに出る際は、下調べをたくさん行い、他大学も含めて多様な大学入試の現状を網羅的にお話しできるようにしています。

勉強会や保護者向け説明会等、機会があれば、どこへでも出向きますので、ぜひ、お声がけください。

貴学の年内入試では1200字〜1600文字の自己申告書や課題図書を課す試験があり、これは学び興味を持つ良いきっかけになると塾関係者から好評でした。

高原嬉しいですね。簡単ではない課題だからこそ、できたときの達成感は学力試験に匹敵すると考えています。

塾関係者には、どういう塾生に貴学の受験を勧めてほしいと考えていますか。

高原勉学や部活など、オールマイティにこなせなくてもいい。どれかひとつでも、「この分野ならば右に出るものはいない」という個性のある高校生に、ご紹介いただけると嬉しいです。

例えば、「ゲームのことになれば敵うものはいない」など。そこに大学の学びとのつながりを見出せれば評価しやすいですね。受験生と長く接する塾関係者の皆さんには、個性を引き出すようなスイッチを押してあげてほしいなと思います。

大学には、具体的に何でも聞いて大丈夫

産業能率大学
入試企画部長 林巧樹氏

産業能率大学
入試企画部長 林巧樹氏

産業能率大学と塾の接点はありますか。

塾関係者のYouTubeに出演し、総合型選抜の裏技や入試方式の詳細を解説しました。なかには20万回再生された動画もあります。

本学は20年以上前から総合型選抜に力を入れており、学習塾との接点は年々深まりつつあります。

塾と接点を持つことで、参考になる部分はありますか。

最近は、フランチャイズの塾のオーナー様向けセミナーに登壇しましたが、学校推薦型選抜や総合型選抜のトレンドをご存じない方が一定数いらっしゃる印象を持ちました。どういう経緯で大学入試が多様化しているのかを積極的にお伝えする必要があると感じています。

それは塾も課題に感じているところだと思います。

大学にもそれぞれ特性があり、一般選抜重視のところもあれば、難関大学でも総合型選抜が狙い目なところもあります。

今後、塾と大学はどう連携すればよいでしょうか。

塾から、「この子にはどの入試が向いているか?」と具体的に聞いてもらってもいいと思います。この入試だったら強みを活かせるとか、逆にこの入試は難しそうとか、お話しする中でイメージが湧いてくると思うんです。

「そんなことを大学に聞いてもいいんですか?」と遠慮なさる塾の先生も多いですが、大学側もそれぞれの入試方式に合った受験生に受けてほしいので、核心に触れない限り答えてくれますよ。

逆に、直接合否に影響しない質問に入試の窓口などが答えてくれないとしたら、認識が乏しいか大学全体で共有されていないなど、注意して取り組む必要があります。

どういった受験生に貴学を受験していただきたいですか。

他者のために貢献したいという利他の心を持ち、委員会やクラスの代表などに挑戦したいけど一歩踏み出す勇気がなかったような子にもぜひ来てほしいと思っているんです。火をつけるきっかけとしての入試を用意しています。

塾の悩みを咀嚼して応えるのは得意分野

拓殖大学
入学支援センター 事務部長 稲富直樹氏

拓殖大学
入学支援センター 事務部長 稲富直樹氏

拓殖大学と塾との接点があれば、具体例を教えてください。

稲富 東京個別指導学院・関西個別指導学院さんとは、継続的に連携しています。

昨今は、年内入試志向の受験生が増え、入試方式が大学により多様になっています。年々、「どう教えたらいいか難しい」という塾の悩みを伺うことが増えました。

日本全国の塾が抱えている悩みを代弁されていると思います。

稲富そこで一肌脱ごうと、教室長の方向けにガイダンスを行いました。年内入試の傾向や対策に必要な準備、本学の評価ポイントなどを伝えたところ、好評でした。

こうした連携は継続・拡大したいですし、塾の先生だけでなく、塾生や保護者向けのガイダンスも可能だと思っています。

大学見学も、高校だけでなく塾単位で実施するなど、高校向けに行ってきたことは塾にも行いたいですね。

意義があると思います。

稲富塾が抱えている悩みを聞き取って、それを咀嚼してガイダンスなどでお答えする。そうした柔軟な動きは本学の得意分野です。

リメディアル教育(入学前教育)では塾と連携していますか。

稲富年内入試の合格者向けに基礎学力向上のための入学準備教育プログラムを実施しています。これは代々木ゼミナールさんと連携していて、入学者の成績について統計を取ったものを各学部にフィードバックし、初年次ゼミの学習指導の参考にもしています。

加えて、希望者には、東進ハイスクールさんと提携してTOEICのオンライン講座も実施しています。

塾関係者の皆さんには、貴学のどういった面を伝えたいですか。

稲富本学は今年創立125周年を迎えます。創立者の桂太郎先生や第2代学監の新渡戸稲造先生など著名な歴史上の人物が形作った本学に、現在は7人に1人の留学生が通います。そうした伝統的な歴史と国際的な教育環境について知っていただきたいです。

個別の相談も大歓迎

東洋大学
入試部長 加藤建二氏

東洋大学
入試部長 加藤建二氏

東洋大学と塾の連携事例はありますか。

加藤本学は、塾と接点を持つことに対しては以前から積極的です。一時期は塾別の入試結果をまとめて、データベースにしていた時期もあったほどです。

塾と連携することの可能性をどこに見出していますか。

加藤今はコミュニケーションが多くないので、塾の皆様がどう受験生と向き合っているのかわからない部分もあります。

「どうやって志望校に受からせるか」といった入試の攻略に特化している面もあるでしょうし、一方で、その子の強みに合った学部学科を調べるところからサポートしていることもあるかもしれない。

そうした状況に合わせつつ、適切な情報をご提供したいと思っています。

説明会などでは、そこでしか聞けない情報をお土産として持って帰っていただきたいですね。それがないと単なる探り合いみたいな場になってしまうので。

大学と接点を持つのは敷居が高いと感じている塾関係者も多いようです。

加藤私としては塾と接点を持ちたいと本気で思っています。こちらからもアプローチしたいですし、基本的に私の場合はオープンですから、入試時期以外であればアポをとってくだされば個別で相談に来ていただけるのも大歓迎です。

塾関係者に対して何かアピールしたいことはありますか。

加藤大学の象徴は、やはり学生です。学生の活気ややる気を見れば、その大学の教育の質や充実度が見えてきます。

例えば、本学には留学生が現在約2000名おり、キャンパスでは日本語が聞こえてこないこともあります。それに影響を受ける日本人の学生もたくさんいる。そうした実態も外からでは見えてこない一面かもしれません。

現在、高校の先生方対象の説明会に塾の先生方もお呼びしていますので、ぜひキャンパスにお越しいただいて、まずは学生を見てほしいと思っています。

2024 7/1
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