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英語力ゼロからの海外大学進学ルート

コロナ禍が明け、富裕層を中心に留学に対する需要が回復しつつある。それに伴い、大都市を中心とした私立中学・高校も、他校との差別化手段として、海外大学進学への進路指導の拡充を検討し始めた。しかし、日本には海外大学の情報や試験対策ノウハウがあまりにも少なく、踏み出せない学校がほとんどだ。そこで、本誌では、英語力ゼロから海外トップ大学進学を目指すためのルートを大公開する

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ハーバード大学(米国)の学部、大学院の最新の留学生数は、中国人1020名、韓国人221名に対し、なんと日本人は97名にすぎない。

あまり知られていないのが、高校3年生時点で、英語力が高校初級レベル(英検3級程度)でも、海外大学へ初年次入学可能だ。さらに、3年次にアメリカの難関大に編入学することも夢ではない。

一般的に、海外大が求める英語力とは、英検でいえばだいたい準1級以上であるものの、実は2級程度(高校卒業レベル)で入学できる大学もあるのだ。

よって、海外大への出願がピークになる高校3年生の12月ごろまでには、2級程度を目指そう。

それに間に合わない場合はどうするか。3月まで出願ができるオーストラリアやニュージーランドの大学を視野に入れたい。

なお、一部の海外大では「条件付き合格」という仕組みが用意されている。これは、英語力以外の入学基準を満たしている場合に与えられるもの。その合格通知をもらってから半年〜1年の間に規定の英語力をつけるか、大学付属の語学学校などのコースを修了さえすれば正規入学が認められる「特例措置」だ。

なんと、この条件付き合格は、難関大も採用している。例えば、カナダでトップのトロント大は、英検2級レベルで合格できる。

面白いのが、合格者向けの1年間のプログラムで、英語力をアップしつつ、学部の単位も先取り取得できるおまけ付きだ。

独学で勉強するのが苦手な人もいるだろう。そんな人のために2つのルートを紹介したい。

まず、海外大出願に特化した塾や、海外大出願サポート付きの語学学校に入る方法。英語を勉強しつつ、大学選びや出願書類の準備ができるのがメリットだ。

他には、大学付属の語学学校も狙い目。学部への進学枠が用意されている場合もあるからだ。

オーストラリアで御三家の一角、メルボルン大学は、付属の語学学校と進学準備プログラムを修了さえすれば、学部に入学することができる。

もう一つのルートは、どこか日本の大学にとりあえず入学し、そこから海外の難関大に編入する方法だ。とりわけアメリカの大学は、編入に力を入れており、学部卒業生の約1/3以上が編入経験者だ。事実、オバマ元大統領や、実業家のイーロン・マスク氏も編入で難関大に進学している。

中下位大学から難関大に編入合格

さて、中堅〜下位大から編入で難関大に入るにはどうするべきか。下図を見てほしい。海外大学の入学や編入学の選抜では、7つの審査項目に注目しなければならない。

海外大の7つの審査項目

中堅大であれば、評定平均と英語外部試験スコアの提出だけ合格を勝ち取れるところも多い。

だが、ハーバード大など超難関大学となると、7項目ほぼ全てが必要となり、負担が大きい。大学で高成績を維持しつつ、学力試験の対策も欠かせない。

よって、狙い目は、アイビーリーグより1ランク下、世界ランキング100位程度までの学力試験が課されない難関大といえる。

これら7項目のうち、最重要なのは評定平均だ。それが高いほど難関大に合格する可能性が高まる。超難関大であればオール5は当たり前。ニューヨーク大などの難関大でも4.5は維持しておきたいところ。

なお、アメリカの州立2年制大では、トップ州立4年制大への編入枠を用意していることもある。この「約束された」難関大編入ルートは、世界各国の学生から人気がが高い。

例えば、ニューヨークの州立2年制大学からは、アイビーリーグのコーネル大学に編入することができる。カリフォルニア大学バークレー校や同ロサンゼルス校(UCLA)への編入は、毎年かなりの編入者数が確保されているため、日本でもメジャーなルートとして定着しつつある。

なお、課題は、編入前の大学の評定平均を高くキープできるかどうか。

「当塾では、カリフォルニア州にいる日本人スタッフを中心として、常駐で勉強のサポートを行う体制を整えている。昔のように、編入できずに挫折する学生は少ない」とトフルゼミナール企画業務部部長の加藤芳明氏は力説する。

一方で、評定平均が低い場合、課外活動や志望理由書で、「独創性」、「学びへの意欲」、「リーダーシップ」などを軸に誰にも真似できない実績を作ることで、成績の低さを埋め合わせられる。

ハーバード大の合格者の中には、評定平均が3.1から3.8の学生が毎年数十人いる。この場合は、数学オリンピック金メダルや、模擬国連の世界大会レベルでの入賞などによって合格した受験生が多いといえる。

だが、難関大であれば、そこまでは必要ない。

例えば、平安時代の十二単に興味があるならば、初年次から大学の歴史学の教授に相談して研究テーマを見つけ、自分なりの調査研究をする、といった実績レベルで十分だ。大学教授を巻き込んだ事で、自分の興味関心が高いレベルにあると示せている。

実は、海外では日本をテーマにした研究は珍しいので、それだけでもエッセイや面接などで他国の受験生より独創性を高められる。

ほかにも、アメリカの大学には、ボランティア団体や会社を立ち上げて「リーダーシップ力」をアピールするのもよいだろう。なお、イギリス、カナダ、オーストラリアの大学では、ひたすら学びへの興味を強調するのがオススメだ。

「大学院留学」という難関大への裏ルート

さて、留学には興味があるものの、「外国で生活するのは怖い」という理由でなかなか留学を決断できない人はどうだろうか。その場合は、社会人になった後で大学院留学をオススメする。

海外大へ留学する4つのチャンス

上図を見てほしい。日本では知られていないが、今や世界の高等教育の主流は大学院だ。

海外では、出世するために、社会人として経験を積み、それから大学院に入り直すことも珍しいことではない。

なお、社会人経験の長さに制限はない。大学卒業後数年で大学院に入る場合もあれば、50代で入学することも可能だ。

そして、大学院は学部よりも入試の競争率が低く、合格しやすい。なぜなら、大学院まで進学する人口は少なく、競争率が低いからだ。 スタンフォード大学の場合、2022年の学部入学の合格倍率は27倍だが、世界一のブランドともいわれる同大の経営大学院の倍率は14倍。なんと半分程度である。

さらに、大学院の入学選抜では、学力の要素は薄まる。社会人としての実績も評価の対象だ。机に向かって勉強するのが苦手なタイプでも、社会人として結果を出せば難関大に合格も夢ではない。

このように、海外大は、英語力がなくても、語学学校や国内外の大学や社会人経験を経て、将来的に難関大を目指せるルートが多くあるのだ。

今、たとえ英語力が英検3級レベルでも、地道に勉強を続けさえすれば、希望の大学・大学院に進学する門戸がいつでも開かれていることになる。

それが、日本よりもフレキシブルに高等教育を提供する海外大の最大のメリットといえるだろう。

井上 孟
ルートマップマガジン社 代表取締役社長/海外大学ジャーナリスト
大手通信キャリアにてM&A戦略のコンサルティング、『大学ジャーナル』編集部 編集委員。2012 年米国 Hult International Business School で経営学修士(MBA)修了。13年から経営コンサルタント。英国コンサルティングファームの世界最先端のビッグデータ解析手法を日産自動車などへ提供。15年より独立し、現職。現在、Google等のビッグデータを生かしたマーケティング手法を開発を軸に、16年から教育業界のデータ分析を開始。国内外約3000大学ビッグデータ分析を行う。『ダイヤモンド・オンライン』『週刊ダイヤモンド』『現代ビジネス』『週刊朝日』『塾ジャーナル』『週刊東洋経済臨時増刊』『サンデー毎日』などデータ寄稿や情報提供多数。その他、全国の大学や高校にて経営や広報に関するコンサルティングや講演を行う
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