全国300塾関係者へ本誌が調査をしたところ、135塾が大学と何かしらつながりたいという結果となった。
背景には、大規模私立大学を中心に、大学入試が総合型選抜など年内入試から複雑化して、合格しにくくなっていることを指摘する。
いわゆる、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)第一志望者は、本来なら併願を日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)あたりに考えるが、それ以外にも良い大学を探しているといえよう。
調査では、多くの塾関係者がそれら大学を少しでも見つけ出し、入塾説明会、保護者面談で生かしたりして、他塾との差別化に使おうと考えていることも分かった。
とりわけ、注目大学として共立女子大学、神田外語大学を挙げるケースも目立った。
共立女子大は、東洋大とともに、年内学力入試を行うことで注目度が高く、今年初の塾関係者向けの大学説明会を実施した。
神田外語大は、なんといっても、千葉学習塾協同組合と活発に連携している。
ここで取り上げる両大学のコメントが、大学と積極的に接点をつくるヒントになれば幸いだ。
お互いに足を運ぶ関係を目指す
共立女子大学 渡辺篤 氏
本学の女子学生も、都心のメリットを生かして課外活動など新しいことにどんどん力を入れており、職員としても負けてはいられません。
今年は、6月20日に本学初となる塾向け説明会も開催しました。
それに、大学が高校向けにしか広報を行わないというのは本来アンバランスです。
本学の学生が「都心の地の利」と、「女子大ならではの環境」を生かして、活発なキャンパスライフを過ごしているかもぜひ知っていただきたいですね。
お互いに足を運びながら、ぜひ一対一の関係づくりをさせていきたいですね。
教育熱心な先生方とつながりたい

神田外語大学 アドミッション&コミュニケーション部 須賀大悟 氏
―最近は、積極的に塾広報を展開されていると塾関係者から聞きました。
最近は、塾内の校舎長さんの会合場所として本学をご提供する際に、大学や入試内容のご案内をさせていただくこともあります。
最近接点を持った塾では、本学を含む塾生一人ひとりの出願状況や合否、進学先などの情報を大量に保管しておられ、驚きました。
そうした丁寧な指導に対して、本学が効果的な情報提供を出来ていなかった反省も含め、会話を重ねたいと思っています。
以前、本学を残念ながら不合格になった塾生の話を伺う機会がありました。その時は、「個別にもっと十分な情報を提供できていれば︙」と大変後悔しました。
ただ、こうしたリアルな話を聞けたことは、塾とつながれたからこそだと思っています。
(須賀)教育は生徒の可能性を広げる貴重な機会です。大学も塾の皆様と積極的に交流したいと考えていますので、躊躇せず、ぜひお気軽にご連絡ください。