2025年度の共通テストより『情報I』が入ります。実は先日、『藤原進之介のゼロから始める情報I』(KADOKAWA)を著者からご恵贈賜りました。
その内容は、大きく分けて「情報社会」「情報デザイン」「プログラミング」「ネットワーク」の4つの単元から構成されています。特に興味深かったのが、情報の伝え方を学ぶ「情報デザイン」です。これは、音や画像のデジタル化の原理や、QRコードの仕組みなどが学べます。むろん、これを知らなくてもコンピュータは使えますが、知識として持っていると、より面白くなるのではないでしょうか。
現在、数学を専門とする「数強塾」を運営する著者の藤原氏にとって、これら本業のブランドを上げるためにこのような書籍出版はかなり有効であるはずです。
さて、今回から数回に渡って「書籍の出版について」をお話していきたいと思います。教育関係者なら誰もが憧れる「書籍の出版」ですが、どうしたらそれが実現可能なのかを「知識ゼロ」を前提に探ってみたいと思います。
私の予備校講師になってからの夢は「書籍の出版」でした。それが実現できたのは、予備校講師になって3年後の07年7月です。きっかけは、編集者からの執筆依頼がメールで来たことです。私が選ばれた最大の理由は、大手予備校講師だったことと、ブログを書いていたことの2点でした。
その執筆依頼の内容は「一問一答形式の参考書の作成」でした。これは「化学は暗記ではなく考えるもの」という当初の私の執筆意向とは真逆でした。
しかし、とりあえず書籍を出版したいという気持ちが強かったので、出版社側の意向を優先しました。それが結果的に早く出版につながったと思います。
さて、出版後、内容のことでネット上で批判も受けましたが、結果的に10万部以上売れ、現在ではシリーズ化されるに至っています。こうした経緯を経て、その後の書籍『ポイントチェック化学反応式』では自分で企画することに繋がったと思います。
出版を実現する2つの秘策
出版を実現する方法はそれだけではありません。下図を見てください。
出版には、大きく2つの方法があります。まず、前述の出版社からの執筆依頼を受けるやり方です。
この場合は、出版社が経歴や知名度、信用度、執筆力が高い人を選定し、執筆をオファーします。
次は、出版社に自ら企画を持ち込む方法です。例えば、SNSのインフルエンサーが出版するケースも多くがこれに該当します。
最近では、本のコンテンツだけではなく、映像としてのコンテンツを持っていると出版社からの反応も良くなっています。出版社は、最近、書籍に付録する映像コンテンツを作れるパートナーを探しているからです。自分が所属しているのがオンライン系の塾や予備校であれば、可能性が高まるはずです。