2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
MENU

著書累計販売部数24万部の著者が教える
塾の先生のための書籍出版講座Vol.6

すべての原稿を書き終え、とうとう脱稿を迎えます。これで、執筆作業に苦しんだ日々ともおさらばとなります。何といっても、断っていたビールが、とてもおいしく感じる時です。

そんな時もつかの間、次は校正作業が待っています。

これは、デザインやイラスト、ページ番号などが入った「出版用のレイアウト」に、作成した原稿を入れて、校正刷り(ゲラ刷り、ゲラ)を作ります。この時点では、レイアウトはバラバラです。

特に学習参考書の場合、見開きごとに、一つのテーマを収めることが多いので、ページ内の文章が溢れていたり、不足していたりします。

そこで、送られてきたゲラに、加筆や修正をして調整するのが、校正という作業です。昔は紙に直接、赤ペンで書き込んでいましたが、今はoPadの『Goodnotes』というアプリを使って、PDFに書き込んでしまいます。

そんな校正は、初校→再校→念校という順番で続いていきます。

再校では、初校で修正した部分を見直します。この時点で、だいぶ完成形が見えてくるでしょう。

注意しなければならないのは、念校では大きな修正はできません。細かな修正をするだけです。この間に、出版社の校閲担当からの指摘箇所を修正することもあります。

さらに念校の後に、念々校のチェックが入ることもあります。私はできるだけ誤植を減らしたいので、最後まで諦めずに原稿をチェックします。

そして、いよいよ苦労した校正作業も終了して、印刷会社に最終データが送られます。

もちろん、印刷会社に渡れば修正できませんが、その後の修正は、増刷時に可能です。今年の新課程で化学の「熱」の分野が変わったことを受け、私の書籍でも、二版で大きく修正を加えました。

いよいよ迎える書籍出版の瞬間

ところで、本のページ数が、8または16の倍数になっていることが多いのをご存じですか。

本を大量に印刷する時には、オフセット印刷という技術が多く用いられるからです。オフセット印刷は、8または16ページ単位で印刷するので、本のページ数もそうなることが多いというわけです。ぜひ、手元の書籍のページ数を確認してみてください。

この印刷された書籍は、出版取次を経由して、各書店へ配布されます。ここまでで、印刷会社にデータを送ってから、発売まで約1ヵ月です。この間にアマゾンなどでも、出版予定の本として告知されます。

そして待望の発売日を迎えます。

発売後は、アマゾンに書かれたレビューや売上ランキングなど、何かと気にする日々が続きます。

あわよくば、重版(増刷)の決定を、首を長くして待つことになります。重版がかかる時には、編集者から「重版しました。第2刷、〇〇部です。訂正があれば連絡ください。」という連絡が届きます。

このメールが届いた時が、何よりも嬉しい瞬間なのです!

西村能一
大学受験予備校講師/教育ジャーナリスト
横浜生まれの横浜育ち。「ノーイチ先生」の愛称で親しまれる。横浜DeNAベイスターズとマラソンをこよなく愛する二女の父親。7年間の私立高校教諭勤務を経て、現職。受講生から「ノーイチ先生」の相性で親しまれている。化学現象が楽しく理解できる解説と生徒が復習しやすい板書が定評。受講生から「化学が好きになった♪」といわれることを生きがいに、授業や執筆を精力的にこなす多忙な日々を送っている。教材や模試の作成・編集にも携わり、学校の先生向けに授業のアドバイス、保護者や子供向けに進学アドバイスや講演も多数。これまでに指導した生徒数は50,000人にのぼる。著書は、学習参考書『改訂版化学早わかり一問一答』『改訂版化学基礎早わかり一問一答』を代表作に、『大学入試 化学反応のしくみが面白いほどわかる本』『直前30日で9割とれる 西村能一の共通テスト化学基礎』(以上KADOKAWA)、共著書として、『ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習』(KADOKAWA)、『化学頻出!スタンダード問題230選』(駿台文庫)がある。近年は、一般書執筆に力を入れ、著書『科学の名著50冊が1冊でざっと学べる』(KADOKAWA)は、一般の人に向けて「科学好き」を増やすべく執筆。科学関連の発信や講演、さらに、子育てや教育に関する講演も積極的に行っている。明治大学理工学部工業化学科卒業
twitter @no_ichi_
YouTube @yoshikazu0529
Instagram @no_ichi
2024 7/1
特集記事

塾業界で人気再燃!「プログラミング教育」

本誌の全国122塾への調査で、興味があると回答した塾が82%にも及んだ「プログラミング」。2025年度の大学入学共通テストから「情報Ⅰ」が必…

特集記事

SPECIAL
SPECIAL
SPECIAL
SPECIAL
SPECIAL
タイトルとURLをコピーしました