藤田医科大学の「学費値下げ」が話題です。たいてい、医学部入試では、学費が低い方に志願者は流れ、そして入試難度はアップします。
メルリックス生を調査すると、東京、大阪の受験生は藤田医大に対して例年通りの志願動向でした。入試日程が重なる東京医科大学には影響が小さく、例年通りの人気です。
いずれにしても、入試スケージュールの理解こそが合格の鍵を握るといえます。
では、最新の2026年度の私立大学医学部入試の志願者動向を予想していきます。
まず、注目は西日本の大学が中心となる1月入試でしょう。例えば、愛知医科大学、近畿大学、兵庫医科大学の3大学は、首都圏の私立医学部の本命生にとって、実は、記述試験対策を追加で行えば合格の可能性が高く、努力が報われやすい大学群といえます。
なお、愛知医大といえば、25年度に、なんと200名を超える大量の正規合格者を出しました。26年度は藤田医大の学費値下げによる影響もあり、とりわけ入試難度が近い愛知医大とダブル合格をしても前者に流れ、正規合格者は昨年度と同等程度かそれ以上になると予想されます。
愛医、兵医が易化か移転する近大は人気
藤田医大の学費値下げで、愛知医大の今年度の一次合格者数、正規合格者数がともに増加し、「穴場」になる可能性があります。一方で、校舎を移転させる近大は難化します。
駅前かつ新校舎ですから注目度が高く、人気になるといえます。ちなみに近大は前述の愛知医大や、首都圏の同等難度の医学部などと比較しても、理科と英語の難度が高いといえます。対策には注意が必要です。
近大と併願関係が強い兵医は、今年度の入試では穴場になる可能性もあります。前述した新キャンパス効果で合格者の一部が近大に流れると予想されるからです。よって、正規合格者や追加合格者の数は例年に比べ増える可能性もあるでしょう。
気になる入試傾向ですが、基本問題と難しめの問題の融合形式です。基本問題で点数を落とさないように訓練してください。その上で記述対策を入念に行い、易問の年であれば7割、難問の年であれば6割5分を目指したいです。
次は2月入試です。26年度入試では、入試難度が近い大学の入試日がバッティング(日程が重なる)することで、どこを受験するのか、例年に比べ受験生に大きな迷いが出たり、思わぬ穴場が出るスケジュールになりそうです。
過去の24年度入試の事例では、関西医科大学の二次試験と大阪医科薬科大学の一次試験が重なりました。結果、関医に受験生が流れ、大医は例年より合格難度が下がって「穴場化」しました。それだけ入試日程には注視をすべきなのです。
さて、26年度入試の2月1日は、入試難度の近い東京女子医科大学、川崎医科大学の試験日で、さらに、久留米大学もそこに重なるので、受験者数の減少もあり得ます。
そして、2日も大混戦となりそうです。なんと、杏林大学、東海大学、福岡大学が重なりました。ここでの選択のポイントは数学でしょう。
杏林の数学は直近3年分ををさかのぼっても、難化しています。よって、数学で勝負させたいなら杏林ないし福大でしょう。他、英語が得意であるか、理科が苦手な場合は、東海がオススメです。
最後に3日は、北里大学、東海、金沢医科大学がバッティングします。数学が得意だと北里が有利です。他は英語の出来が微妙だと差がつきやすいので注意が必要です。もし英語が苦手なら、必要によって東海ないし金沢医科大を2日間受験するなど試験パターンに慣れる工夫をすると合格のチャンスが広がります。
このように、スケジュールを理解し、皆さんが最善の結果になるよう願っています。