2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
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教えて!予備校の先生①
「御三家」コンプレックスの解消法

行きたい医学部の入試日が重なっています。どうしたらよいでしょうか。

関西医科大学と大阪医科薬科大学が同一日程に、川崎医科大学と獨協医科大学が同一日程になったことが2024年度の最大のトピックであり、この変更点が入試結果に影響を与えました。

まず前者は、大阪医科薬科大の前期日程の繰り上げ合格者が0名になりました。これは二大学の日程重複により、大阪医科薬科大の合格ラインが下がり、学力的に合格ラインに届いていなかった層の合格者が増え、歩留まり率が高くなったと推測できます。

そして後者は、川崎医科大の志願者減が予想されていましたが、結果は12名減に留まりました。一方で、23年度に帝京大学医学部と日程が重なっていた獨協医科大は、地域枠の新設などもあり916名増という大幅な志願者増となりました。

このように単なる試験の日程とはいえ、その変更や他大学との重複が、志願者数や合格ラインに大きな影響を与えることがあるのです。

私立大学医学部の一般入試は、1月下旬から3月半ばにかけて実施されます。一次試験の入試日が遅いほど入試難度(偏差値)が高くなる傾向にあり、どのスケジュールで受験するか、多くの受験生が頭を悩ませているでしょう。偏差値的に可能性のある大学を全て受験したら十連戦以上にもなりかねません。

そういった受験校選びの戦略が、医学部受験では大切です。なかにはスタートから好調の波に乗り、最終的に実力以上の大学で合格をつかみ取る受験生もいるほどです。

まずは、来年度の受験戦略を考えていきましょう。

2025年度の注目点

それでは、先ごろ出された25年度の私立医学部入試日程表から、注目すべき点を挙げていきましょう。

①帝京大と杏林大学が同一日程に(1月23日)
②川崎医科大と近畿大学医学部が同一日程に(1月25日)
③東京女子医科大学、日本大学医学部、久留米大学が3年連続同一日程(2月1日)
④10年以上同一日程を続ける東海大学と福岡大学のどちらを選ぶか(2月2日)
⑤埼玉医科大学、東邦大学、藤田医科大学から受験校をどう選択するか(2月4日)
⑥慶應義塾大学の日程が大阪医科薬科大と東京慈恵会医科大学にどう影響するか

これらのポイントの中でも、今回の質問にあるように、入試日が被った場合にどちらを受験すべきか、ということが受験生の一番の悩みの種になるでしょう。

そのような時に考えるべき要点が、各大学の出願傾向と、受験生の得意・不得意科目との適正です。

たとえば④の東海大と福岡大では、その出題傾向から英語が得意ならば前者に、数学が得意ならば後者の受験を勧めています。

また⑤では、東邦大の英語の問題の難度が高く、藤田医科大は理数科目の問題の難度が高い傾向にあります。

このように各大学の出題傾向を踏まえて、得意科目を生かせる大学を選ぶことが、受験戦略の考え方のポイントの一つなのです。

また私立大学の中には、独自の対策が必要になる、少し特殊な出題傾向を持つ大学があります。それらの大学は、オーソドックスな試験を行う地方国公立大とは、併願しづらいことに注意すべきです。

たとえば、⑤の埼玉医科大、東邦大、藤田医科大で、私立大学専願者は埼玉医科大か東邦大、国公立大学併願者ならば藤田医科大が無難だと考えます。

このように受験戦略を考えるには、偏差値だけでは見えない情報の分析が重要です。これは受験生やご家族だけでは判断が難しく、プロのアドバイスが必要となります。

私たちも長年蓄積してきたデータをもとに、毎年、緻密な分析を行っています。そういった情報分析力と一緒に受験戦略を考えるサポート体制も、医学部予備校選びの大切な指針になるでしょう。

佐藤正憲
さとう・まさのり/メルリックス学院代表取締役(CEO)。1971年名古屋市生まれ。95年名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。20年に大阪医学部予備校ロゴス22年DDPを吸収合併。著書に『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある
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