2024.1.29東洋経済新報社『週刊東洋経済』の特集「過熱! 中学受験狂騒曲(パニック)」に弊社取締役の西田が寄稿しました
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医学部予備校㊙戦略 勝ち組2人の事例公開

医学部予備校バブルがついに終焉を迎え、過去5年間で100校にまで倍増していた医学部予備校が、今年ついに減少に転じた。今後は廃校やM&Aなどで淘汰が進むと予想される。そこで今回、 その道のプロ2人 の集客成功事例をご紹介する。

ついに、医学部予備校の淘汰が始まった。医学部バブルの恩恵を受けて、右肩上がりだった経営は今や過去の話。平均顧客単価が年間700万円にも達する医学部予備校市場には、多くが乱立し、「飽和状態」だ。

とはいえ、医学部志望者数はまだ上昇傾向といえる。筆者の予想では、今年も昨年比5%程度の伸びになる。そんな中でも予備校数減少の原因は、生徒や保護者がより慎重に予備校を選ぶようになったことが大きい。

これまでなら、一般的な生徒や保護者は、予備校を比較してもせいぜい2、3校程度。だが、ここ数年で4〜5校にまで倍増した。

その理由は、SNSの影響だろう。インスタグラムやラインを使ったマーケティングを積極的に行い、生徒や保護者がより多くの予備校情報を日常的に目にすることが可能になったのだ。

保護者は、さまざまな予備校を比較しやすくなり、その中から納得の行く予備校を今まで以上に慎重に選択するようになった。

では、彼らの予備校選びの基準とはなにか。まず、合格実績や合格率。そして、講師の質。最後に、面倒見の良さである。

中でも、講師の質は正直いってどの予備校もあまり違いがない。これは、他校と掛け持ちの講師が多く、専任の看板講師がいないのが当たり前であるからだ。

とりあえず、予備校が生き残るためには、合格実績や面倒見の良さを前面にアピールした上で、集客することが重要だ。

とりわけ、合格実績を訴求する際は、単なる数字だけではなく、その数字を叩き出す根拠まで出すべきだ。これらを実行して成功しているのは、佐藤正憲氏が代表を務めるメルリックス学院だろう。

同校最大の強みとは、「医学部・歯学部受験センター」を有し、25年間にわたり受験情報誌を刊行していることだ。全医学部の出題傾向、形式、配点、合格点や、その他様々なデータを集積・分析し、指導に活かしている点は強い。

さらに、入試本番を再現した模試を27校舎で実施していることも、関係者から好評を得ている。

ただ、こうした実績がない予備校はどうするのか。「面倒見の良さ」で勝負するのがオススメだ。

具体的には、TMPS医学館(長澤潔志代表)のやり方が参考になるだろう。同校は、授業時間以外のサポートの質を高めることに力を入れている。

そもそも医学予備校は、一日のうち自習時間が授業時間を上回る。浪人生の場合、自習のモチベーションが上がらず、学力が伸び悩むケースが目立つ。そこで、同校は「サポート」に特に注目したのだ。

同校は、近年、アプリ版の高精度のスケジュールや進捗管理と、コーチングシステムを導入した。

アプリでは生徒の入退室記録はもちろん、授業予定、指導報告、予備校からのお知らせなども全て一括管理可能だ。

さらに、毎月の保護者面談で、数字で「見える化」して保護者の不安を取り除くことにも成功している。

コーチングでは、翌週の学習計画を立てる50分のセッションと、毎日の進捗状況を確認するセッションの2つを用意。生徒がモチベーションを維持できるように配慮されている。

かつて医学部予備校は、実力のある講師が独立して作るケースが多かったが、もはやそれだけでは集客ができない時代になっている。

だからこそ、独自の強みをいかにして効果的な集客につなげるか。それが、予備校の明暗を分けるかもしれない。

伊藤隆一
学校・医学部予備校経営コンサルタント
横浜市生まれ。大学卒業後、株式会社ハイメックス(教材メーカー)、旅館・ホテル業界コンサル会社、教材販売、家庭教師センター、学習塾経営を経て現職。学校・塾・予備校の広報を強みとして、複数の都内私立中高一貫校の顧問、広報アドバイザーも勤める。東海大学教養学部生活経済学科卒業
2024 1/21
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