2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
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教育ジャーナリスト 西田浩史の新しい塾のカタチ
塾よ、大学と繋がろう vol.1

早慶MARCHなどの受験をお考えなら、ぜひ本学も受けてください―。

これは、先月11日に横浜市内で行われた桜美林大学の高校教員対象説明会である。

なんと、平日にも関わらず学校教員を中心に200名以上が集まった。

本誌が全国122塾を調査(2023年1月〜24年5月)したところ、総合型選抜入試(以下、推薦入試)で、桜美林大と慶應義塾大学湘南藤澤キャンパス(以下、SFC)との併願は16%と2桁の伸びだった。その秘密を探るために参加する学校・塾関係者も多いという。

塾関係者によれば、桜美林大の推薦入試が、早稲田大学、慶應義塾大、GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、法政大学)、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)を中心に全国の大学の「登竜門」とされている。

「推薦入試を考えたいなら、ひとまず桜美林大を受験しよう」といわれるほど。

難関大学を受験する前に、桜美林大の受験をすれば、合格率が上がるというカラクリだ。

桜美林大のような「有力中堅大学」をうまく活用した難関大学の受験戦略は、塾現場では密かに当たり前になりつつある。

中堅大学を制する者は
難関大学全体を制する

有力中堅大学をうまく活用した難関大学受験であるが、いくつか条件がある。

まず、参加するだけで、知らぬ間に推薦入試の基礎が身につくような工夫された説明会、イベントが複数回にわたり、行われている大学であること。

もう一つが、難関大学と選抜方法が近く、質の高い選抜(入試問題の出題、面接など)が行われている中堅大学であること。

前者は、なんとなくわかるだろうが、後者は判断が難しいかもしれない。

桜美林大の他、拓殖大学などのような大学が複数ある。

ならば、さっそく筆者から塾関係者の皆様に提案したい。

ひとまず、有力中堅大学と、ひとまず直接繋がろう。

なんといっても、入試のことは、その道のプロの大学職員に直接聞くのが一番である。

一般選抜と違って、合格基準がわかりにくい推薦入試ならなおさらだ。

大学と繋がることによって、推薦入試のリアルな情報も手に入るのもメリットだ。

その上で、欲しい学生について、その大学職員の考え方、そこから垣間見える大学の癖を見抜き、独自分析する部分は「受験のプロ」としての塾のプライドの見せどころだ。

これは、ネットや書籍、大学案内に頼ってはダメだ。第一、そんなことは、載っていない(笑)。

もし、ひとつでも気に入った仲の良い大学ができれば、塾としても、保護者や入塾対象者に何かウリになるはず。

はじめは、形式ばったものではなく、軽い感じでよいだろう。ひとまずは、積極的に情報交換をしよう。

近い将来(10年以内)、一般選抜の定員が大幅に減らされる。早稲田大でも6割、国立大学でも最大5割が推薦入試による入学者となる。

入学者の状況が変われば、良い塾の基準は「推薦入試に強いこと」になってくるのは間違いない。

ルートマップマガジン社 取締役/雑誌編集局 ルートマップマガジン編集部 編集長
追手門学院大学客員教授、教育ジャーナリスト、『大学ジャーナル』編集部 編集委員、アロー教育総合研究所 客員研究員。2016年 ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド』記者(学校・教育産業担当)、他学習塾業界誌の私塾界『月刊私塾界』、塾と教育社『月刊塾と教育』記者、追手門学院大学アサーティブ研究センター客員研究員を経て20年から現職。『現代ビジネス』『週刊朝日』『サンデー毎日』『週刊エコノミスト』『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』『週刊ダイヤモンド』『ダイヤモンド・オンライン』など教育関連記事の寄稿、コメント多数。全国4,000塾、予備校(関係者20,000人)の取材達成(2022年11月現在)。
著者に『医学部&医者』『関関同立』『最強の高校』(すべて週刊ダイヤモンド 特集BOOKS ダイヤモンド社)など。放送大学大学院文化科学研究科修士課程在籍中
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