学校はめんどくさい。勉強はめんどい。宿題はめんどい。学校すべてがめんどい。本当はいきたくないこともある。いきたいときもある。学校は本当に意味がわからないー。(2025年3月3日毎日新聞余録から。堺市安井小学校6年山添煌騎君の作文)。
明治初頭の学制改革で本格的集団指導が導入されたが、これは「プロイセンモデル」といわれる。知識で教え、暗記させるばかりで自分で考えない、この教育手法は18世紀に始まったといわれ、産業革命の時代に工場で働く人を作る教育だった。その目的は自分の頭で考えられる人間を育てることではなく、忠実で従順な市民を次々生み出すことだった。それから百年以上、日本の教育現場では基本的に何も変わっていない。
ここ数十年不登校もやむを得ない、という論調になった。罪悪感はなく、むしろ学校へ行かないという、積極的な選択すら肯定する。
文部科学省によれば、2023年度の全国の不登校生は、小学生13万370人、中学生21万6112人、高校生6万8770人。それでは彼等の受け皿はどうか。義務教育期の受け皿はいくつかある。まず国が定めた「学びの多様化学校」。もとの「不登校特例校」で、現状は全国に公立・私立あわせて35校。文部科学省は27年度までに政令市に1校ずつ。将来的には300校設置する目標をたてている。
次に通信制高校(本誌前号の特集をご参照)を母体とするフリースクール・中等部。八洲学園中等部やN高の中等部、学研のサポート校など、いま大人気の通信制高校のサテライトで、全国に2267施設あるという(「フリースクール白書2022」学びリンク)。
注目すべきは塾・予備校の55.6%が通信制高校と連携している。16年の教育機会確保法成立以降、フリースクールの新設は各地に広がり、オンライン型のスクールも加えると483団体以上あるという(前述白書)。
35万の不登校生には35万の理由がある。ここで訴えたい。学習塾こそ彼らの受け皿になって欲しい。
山添君へ。学校へ行くことをやめたら、塾へ行こう。そこには教師以上(あるいは親以上)君のことを真剣に考えてくれる塾長がいる。そこは時間がゆっくり過ぎる第三の居場所。落ち着いたらじっくり、君の進路について考えよう。君が学び、進むべき未来、その選択肢は星の数ほどある。まずは近くの塾へいってみよう。