お知らせ
西村先生による塾・予備校講師のための書籍出版相談会「どうする!? 書籍出版への第一歩」を2025年7月30日(水)21:00〜22:00に開催します。(zoom開催、参加無料)
お申し込みはこちら
予備校・塾内で実力派講師と認められるようになったら、次のステップは「外部講師」として活躍の場を広げることです。
これにより、収入増も見込めます。何よりも外の世界に出ることで自分自身の知識や考えの幅も広がります。それで日々の授業の質もアップしますので、いいことずくめです。
さて、外部講師として声がかかる条件の一つは、書籍を出版していることも重要な指標です。書籍を出すことによって、やはり外からの信用力が格段に上がります。
私の場合、参考書をイメージされがちですが、一般書(『科学の名著50冊がざっと1冊で学べる』 KADOKAWA)を出版したことが大きな転機でした。
実はこの一般書を書くメリットは計り知れません。
いわゆる読者層が、受験生だけでなく、先生や保護者を含む一般の方々にまで広がります。より多くの人に名前を知ってもらうきっかけになるわけです。
さらに、受験以外のこと(私の場合は科学史など科学全般)について外部に話せる基礎知識をしっかりと身につけることができます。
ちなみに、予備校講師をしていると、自分を専門分野のエキスパートだと錯覚しがちですが、私は一般書を書き始めてから、自分の知識のなさに呆然としました。
次に、出版に至るまでの編集者との密なやりとりを通じて、知識ゼロの「一般の方々」の視点を手に入れることができます。
「生徒」の視点は、日々の講義の反応を見ながら理解を深めているつもりです。ですが、受験から離れている「大人」が何に興味・関心を持っているのか、そして、どんな話を好んで聞くのかなどは分かりません。出版を機に、彼らの視点を理解することで、自分の講演や執筆活動にも一層深みを出せるようになりました。
もう一つ、外部講師を目指すに当たって重要なのは、SNSでの発信でしょう。
Xを通じて塾・予備校講師だけでなく、大学や高校の先生などともつながることができます。直接会うことはなくとも、いろいろな先生方の考え方を知れますし、業界内外とのつながりもどんどん増えていきます。
SNSに投稿する内容は、昔はどちらかというと受験や教育に関することの方が多かったですが、一般書を出してからは、科学の面白そうなネタやニュースに対する感度も高くなりました。
これらの経緯があり、私にはネット媒体の「リケラボ」でのコラム執筆や、『月刊 化学』(化学同人)からの連載の依頼が来るようになりました。
同誌は残念ながら今年4月をもって休刊になってしまいましたが、読者には大学教授なども含まれ、広く業界の方に私の名前を知っていただくきっかけになり、大変感謝しています。
このように、一般書の出版やSNSでの発信は、外部講師へのステップとしても価値が高いと言えます。
特に、『月刊 化学』や、『ルートマップマガジン』のような業界誌での執筆は、手っ取り早い手段としておすすめです。
業界内に広く名前を知っていただくきっかけになるだけでなく、連載を重ねることでそれら執筆内容を出版につなげることもできるからです。
業界誌で書くきっかけがあれば、ぜひ目に見える形で発信してください。それを読んだ人が声をかけてくれることもあります。
かくいう私も、科学を少しでも「面白い!」と思ってもらおうと、次の出版に向けてなるべく多くの場所で執筆しているところです。