2024.6.26東洋経済新報社主催のイベント『10年後の勝ち組はここだ 「本当に強い大学」の選び方』に弊社取締役の西田が登壇しました。
MENU

教えて!予備校の先生①
「御三家」コンプレックスの解消法

「医学部御三家」へのコンプレックスが消えません。
今の大学を中退して再受験しようとも思っています。
コンプレックスをなくす方法はありませんか?

慶應義塾大学、慈恵会医科大学、日本医科大学の「私立医学部御三家」や国公立大学医学部を目指す進学校出身の生徒に多い悩みですね。

こういった生徒は、小学校から学業でずっとトップを走り続けてる環境にいることでしょう。12年間の学業の、いわゆる「集大成」として、医学部に合格することを最大の価値として置きがちです。

なんといっても医学部は、最難関とされています。その入試難度(偏差値)は、最低でも私立大学の雄、早稲田大学、慶應義塾大学理工学部以上といわれています。

医学部を目指すプライドが高い生徒にとって「最難関」であることが最終目標として都合がよいわけです。

結果、進学する大学の入試難度がそのまま自分自身の価値だと錯覚するようになってしまいます。

こうした価値観に一度とらわれてしまうと、なかなか抜け出すのが難しいでしょう。

こうなると、私立よりも国公立出身者の方が医者として上だとか、私立御三家以外は医学部ではないなど、根拠のない格付けにとらわれる人生を送ることになります。

その医学部ブランドにこだわるあまりに、浪人(仮面浪人)をし続ける人さえもいるほどです。

もし、あなたの親が医師で、家業を継ぐために「臨床医」を目指しているならば、このような「ブランド志向」は無駄という見方もあります。

世の中は、どの医学部を卒業しようが医師は医師です。よって、一年でも早く医師になることに重点を置くべきでしょう。医師になるのが2年遅れると3500万円、3年だと5000万円程度の収入機会の減少にもなります。

医師になってからも、やるべきことはたくさんあります。医師としてのキャリアは、なってからがスタートラインなのです。

その「臨床医」になるためのもう一つの関門、「医師国家試験」ですが、入試難度と医師国家試験の合格率は比例しません。日本最高峰の入試難度とされる東京大学理科Ⅲ類や京都大学医学部よりほとんどの私立大学医学部のほうが高いです。

よって、私立大学の方が、むしろ「臨床医」になりやすいといえます。

その理由は、大学として医師国家試験の対策に力を入れているからです。そのための専門の予備校の講師に依頼した本格的なものです。

さらに、卒業後、医師になってからの大学同窓会など「臨床医」としての環境も良いといえます。活躍する卒業生の数も多いので、その情報交換や、人脈の点でも有利に働きます。この点に魅力を感じ、大都市圏を中心にあえて私立医学部に絞って目指す人がいるほどです。

一方で、国公立大学はというと「医師国家試験対策」しかり、生徒の自主的に任せがちです。もちろん前述した私立大学の同窓会のような環境はありません。

ただし、「研究医」を目指しているなら話は別です。この場合、入試難度の高い国公立大学医学部や私立医学部御三家など研究に重点を置いているところが有利です。

例えば、名古屋大学医学部では、研究者になることを前提にした推薦入試を実施しています。こういった伝統校は、地域の関連病院を多く抱えています。将来、これらの病院などで大学教授として地域の医療の中心で活躍する道もあるでしょう。

一方で、最近では、私立大学でも研究に力を入れています。例えば、関西医科大学は光免疫研究所を設立し、「がん研究」で日本トップですし、順天堂大学は、「スポーツ医学研究」が非常に進んでいます。「研究医」を目指すならば、まず、各大学の得意な研究領域を調べてみて下さい。

いずれにしても、医療の技術は日進月歩で進化を続けています。一年でも早く医師として現場で活躍することが本来あるべき姿ではないでしょうか。

佐藤正憲
さとう・まさのり/メルリックス学院代表取締役(CEO)。1971年名古屋市生まれ。95年名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。20年に大阪医学部予備校ロゴス22年DDPを吸収合併。著書に『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある
2024 7/1
特集記事

塾業界で人気再燃!「プログラミング教育」

本誌の全国122塾への調査で、興味があると回答した塾が82%にも及んだ「プログラミング」。2025年度の大学入学共通テストから「情報Ⅰ」が必…

特集記事

SPECIAL
SPECIAL
SPECIAL
SPECIAL
SPECIAL
タイトルとURLをコピーしました