落としがちな模試の活用方法があります。これらをやっていないがために、模試の成績が伸び悩む生徒を今まで多く見てきました。今回は2つ紹介しましょう。
まず大事なのは、偏差値にとらわれすぎないこと。
受験生は、常に偏差値に一喜一憂しますが、偏差値とは、模試を受けた人(母集団)の中での自分の位置であり、同じ学力でも模試によって微妙に変化します。
例えば、河合塾と駿台予備学校の記述模試では、後者の方が偏差値が低くなる傾向があります。東大志望者のみが受験する「東大模試」では、いつも偏差値60程度の生徒でも40台に下がることもしばしばです。
よって、受験生に偏差値の意味をきちんと理解させることは欠かせません。
また、「偏差値ランキング」も注意が必要です。
上図を見てください。東邦大学医学部と近畿大学医学部の偏差値は、駿台予備学校では近畿大が高く、河合塾はその逆です。そしてベネッセの進研模試では70超えと、高めにでます。
日本大学松戸歯学部の場合、駿台予備学校もベネッセも42〜52と中程度な一方、河合塾はBF(ボーダーフリー)になっています。
このように、模試によって偏差値は誤差が大きいため、一つの模試の偏差値ランクだけを見るようなことは避け、できれば詳しい先生に難度を問い合わせるのが一番でしょう。
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なお、偏差値はあくまで一般選抜の難度なので、学校推薦型選抜、総合型選抜の志望校を考える時には、模試の成績表に書かれた「偏差値」や「合格可能性判定」にとらわれる必要はありません。
スコアアップの秘訣は「設問別正答率」
さて、模試の成績表が返ってきたら、まずは、志望校内での自分の状況を確認します。各科目であと何点取れば合格圏に入れるかを計算しましょう。これで今後の具体的な学習イメージがつかめます。
に、「受験者全体の設問別正答率」を見て下さい。歯学部志望者は正答率50%、医学部志望は正答率40%以上の問題は、「絶対に落としてはいけない問題」です。確実に正答し、点数を稼げるようにしましょう。
計算間違いやマークミス、問題文の読み間違いなどの「ケアレスミス」の確認も重要です。ケアレスミスは、「次、気を付ける」で終わらせてはいけません。それでは同じミスを繰り返してしまいます。
「計算用紙の使い方が良くなかった」、「問題文をきちんと読まずに解き始めた」「別の選択問題の解答用紙にマークしてしまった」などのケアレスミスの具体的な原因を突き止め、再発防止を確実に行いましょう。
こうした点に注意し、模試の見直し、やり直しを行い、堅実にスコアアップするのが正解です。